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【2026年版】シーラー・フィラー・プライマーの違いとは?役割・使い分けをプロが解説

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外壁塗装や屋根塗装の見積書に「シーラー」「フィラー」「プライマー」と書かれていて、何が違うのか分からず迷っていないでしょうか。

いずれも塗装前に使われる下塗り材ですが、主な役割は異なります。シーラーは下地の補強と吸い込み止め、フィラーは凹凸や微細なひび割れの調整、プライマーは素材への密着や防錆を目的とする製品が多くあります。

ただし、名称だけで使い分けられるほど単純ではありません。外壁材や屋根材の種類、旧塗膜の状態、劣化症状、上塗り塗料との適合を確認して選ぶことが大切です。

この記事では、3種類の違いから素材別の使い分け、見積書で確認したい項目まで、外壁・屋根塗装を検討している方に分かりやすく解説します。

シーラー・フィラー・プライマーの違い

シーラー・フィラー・プライマーは、いずれも下地と上塗り塗料の間に使われる材料です。ただし、それぞれ得意とする役割が異なります。

まずは、3種類の一般的な違いを比較してみましょう。

種類 主な役割 向いている場面 注意点
シーラー 浸透補強、吸い込み止め モルタル、コンクリート、スレートなど 大きな凹凸やひび割れは埋められない
フィラー 凹凸調整、表面の平滑化 モルタル、肌荒れした外壁など 厚塗りや乾燥不足に注意する
プライマー 素材への密着、防錆 金属、樹脂、各種専用下地など 素材と上塗りへの適合確認が必要

この分類は、あくまで選定時の目安です。

実際には、シーラーとフィラーの機能を併せ持つ下地調整材や、密着性と下地補強の両方を目的とした製品もあります。見積書に書かれた名称だけで判断せず、商品名と用途を確認しましょう。

シーラーは下地を補強して吸い込みを抑える

シーラーは、下地へ浸透して表面を補強し、上塗り塗料の吸い込みを抑えるために使われます。

モルタル、コンクリート、スレート屋根などは、経年劣化によって表面が弱くなったり、塗料を吸い込みやすくなったりします。そのまま上塗りを行うと、部分的に塗料が吸い込まれ、色や艶が均一に仕上がらないことがあります。

シーラーで吸い込みを整えることで、下地と後工程の塗料が密着しやすい状態をつくります。

透明と白色の製品がありますが、透明だから必ず浸透性が高く、白色だから必ず表面に膜をつくるとは限りません。下地の状態、上塗りの色、製品仕様を確認して選びます。

なお、シーラーは大きな凹凸や幅のあるひび割れを埋める材料ではありません。そのような箇所には、先に適切な補修が必要です。

フィラーは凹凸や微細なひび割れを整える

フィラーは、粘度と厚みを利用して、外壁表面の凹凸、巣穴、肌荒れなどを整える下地調整材です。

特にモルタル外壁では、経年劣化によって表面が荒れたり、微細なひび割れが多く現れたりすることがあります。フィラーを使用すると、こうした細かな不具合を覆い、上塗り後の仕上がりを整えやすくなります。

微弾性や弾性を持たせた製品には、既存塗膜に生じた微細なひび割れへ追従するよう設計されたものもあります。

ただし、フィラーを厚く塗れば、どのようなひび割れでも直せるわけではありません。幅や段差があるひび割れ、動きが続いているひび割れ、雨水の侵入が疑われる箇所は、原因を確認してから別途補修します。

プライマーは素材への密着や防錆を担う

プライマーは、塗装する素材と後工程の塗料を密着させるための下塗り材です。

金属、樹脂、木部、窯業系サイディングなど、素材に合わせた専用プライマーがあります。鉄部では、上塗りとの密着に加えて、腐食の進行を抑える防錆塗料が使用されます。

現場では、シーラーとプライマーが近い意味で使われることもあります。そのため、「プライマーと書いてあるから金属用」「シーラーだから外壁用」とは決められません。

対象となる素材、既存塗膜、上塗り塗料に適合した製品かを確認することが大切です。

下地の素材と劣化症状による使い分け

下塗り材は、外壁や屋根の名称だけで決めるものではありません。

同じモルタル外壁でも、表面が粉化している住宅と、ひび割れや肌荒れが目立つ住宅では必要な下塗りが変わります。現地調査では、素材と劣化症状の両方を確認します。

モルタル・コンクリート

モルタルやコンクリートで表面の粉化や強い吸い込みが見られる場合は、浸透補強を目的としたシーラーが候補になります。

外壁を触ったときに白色や外壁色に近い粉が付く場合は、汚れだけでなくチョーキングが起きていないか確認が必要です。
詳しい症状は、外壁のチョーキングが起こる原因と対処方法でも解説しています。

細かな凹凸や微細なひび割れが広く見られる場合は、フィラーによる表面調整を検討します。下地が弱く、凹凸もある場合には、製品仕様に適合する範囲でシーラーとフィラーを組み合わせることもあります。

ただし、浮いた旧塗膜や剥がれかけた塗膜は、下塗り材で固めるだけでは十分ではありません。脆弱な部分を除去し、健全な下地へ戻してから次の工程へ進みます。

窯業系サイディング

窯業系サイディングでは、既存塗膜の種類、表面の粉化、反り、欠け、目地シーリングの状態を確認します。

柄や深い凹凸があるサイディングへフィラーを厚く施工すると、元の意匠が変わることがあります。一方で、窯業系サイディングを適用下地としているフィラーもあるため、すべて使用できないわけではありません。

外壁の模様を残したい場合、クリヤー仕上げを予定している場合、既存塗膜が特殊な場合には、下塗りの選定をより慎重に行います。

目地の破断や剥離は下塗り材では補修できません。状態に応じてコーキングの打ち替えや補修を先に行います。

目地の点検方法については、コーキングの寿命と打ち替え時期もご覧ください。

スレート屋根

スレート屋根は紫外線や雨の影響を受けやすく、劣化が進むと下塗り材を強く吸い込むことがあります。

洗浄後の屋根材に吸い込みや素地の露出が見られる場合は、浸透補強を目的としたシーラーを検討します。一回目の下塗りを塗っても吸い込みが収まらない場合は、メーカー仕様の範囲で追加塗布や別の下地調整が必要になることもあります。

下塗り回数を一律に決めるのではなく、屋根材の状態と採用製品の仕様から判断します。

屋根材の種類によっては、塗装方法が限定されるものや、塗装以外の改修が適するものもあります。割れや層間剥離などが著しい場合は、塗装だけで対応できる状態かを先に確認します。

金属屋根・鉄部

金属屋根、雨戸、鉄骨、手すりなどは、浮きサビや剥がれた旧塗膜を除去してから、防錆下塗りを行うのが基本です。

ワイヤーブラシ、サンドペーパー、電動工具などを使うケレンによって、塗装できる状態へ整えます。防錆塗料は腐食の進行を抑えるための材料であり、サビや汚れを残したまま塗るだけで十分な効果が得られるものではありません。

福山市や備後地域でも、海に近い場所では塩分、工業地域の周辺では鉄粉などが付着することがあります。立地だけで材料を決めるのではなく、洗浄後の金属面にサビや付着物が残っていないか確認することが大切です。

穴あきや著しい腐食がある場合は、塗装よりも板金補修や部材交換を優先します。

シーラーの種類と選び方

シーラーには、水性、溶剤系、カチオン系、浸透型など、さまざまな製品があります。

水性か溶剤系かという区分だけで性能の優劣を決めることはできません。適用下地、既存塗膜、上塗り塗料、施工場所の条件を確認して選びます。

水性シーラーと溶剤系シーラー

水性シーラーには、比較的臭気が少なく、住宅地でも採用しやすい製品があります。水道水で希釈・洗浄できる製品も多く、一般的な外壁塗装で広く使われています。

溶剤系シーラーには、劣化した屋根材や脆弱な下地への浸透補強を目的とした製品があります。ただし、臭気や火気管理に配慮が必要で、既存塗膜の種類によっては影響を与える可能性があります。

「劣化しているから必ず溶剤系」と決めず、下地と旧塗膜への適合を確認します。

カチオン系・浸透型のシーラー

カチオン系の樹脂を使用した下塗り材には、コンクリートやモルタルなどの下地への付着性を考慮した製品があります。

ただし、カチオン系と呼ばれる材料には、シーラーだけでなくフィラーやポリマーセメント系下地調整材もあります。名称が似ていても、用途や施工方法は同じではありません。

浸透型シーラーは、下地内部へ浸透して表層を補強し、塗料の吸い込みを整える目的で使用されます。

いずれの製品も、浮いた旧塗膜や深いひび割れをそのまま直せる材料ではありません。洗浄、除去、補修を済ませたうえで使用します。

フィラーの種類と使用時の注意点

フィラーには、一般的な下地調整材のほか、微弾性や弾性を持たせた製品、シーラーや中塗りの機能を兼ねる製品があります。

選定時は「フィラー」という名称だけでなく、製品の正式な分類、適用下地、施工方法、上塗りとの組み合わせを確認しましょう。

微弾性フィラーが向いている外壁

微弾性フィラーは、一般的なシーラーより厚みを付けやすく、モルタル外壁の凹凸や微細なひび割れを整える場面で使われます。

ローラーの種類や施工方法によって、既存の模様を生かす仕上げと、新しく模様を付ける仕上げがあります。どのように塗っても同じ表面になるわけではありません。

日本ペイントのパーフェクトフィラーは、水性1液の可とう形改修塗材E主材で、コンクリート、モルタル、窯業系サイディングボード、ALCパネル面などの各種旧塗膜が適用下地として示されています。

ただし、適用下地に含まれていても、すべての外壁へ同じ方法で厚付けできるわけではありません。外壁の模様や既存塗膜、使用する上塗り材を確認して施工方法を決めます。

フィラーを使用するときの注意点

フィラーは塗膜に厚みを付けやすいため、塗布量と乾燥時間の管理が欠かせません。

薄すぎると必要な下地調整ができず、厚すぎると乾燥むら、割れ、膨れなどにつながる可能性があります。希釈率や所要量は、商品と施工方法によって異なります。

下地に水分が残っている状態で厚みを付けると、不具合の原因になることもあります。洗浄後や雨の後は、表面だけでなく下地が施工可能な状態まで乾いているかを確認します。

下塗りで失敗しないための施工確認

適切な下塗り材を選んでも、下地処理や乾燥管理が不十分であれば、期待される性能を発揮できません。

完成後には見えなくなる工程だからこそ、洗浄、補修、下塗りの内容を着工前に確認しておくことが大切です。

洗浄・除去・補修を先に行う

外壁や屋根には、砂ぼこり、排気ガス、藻、カビ、チョーキングの粉などが付着しています。

これらを残したまま下塗りをすると、材料が下地ではなく汚れの層へ付着し、早期の剥がれや膨れにつながることがあります。

高圧洗浄後は十分に乾燥させ、浮き塗膜、サビ、ひび割れ、欠損、シーリングの劣化を補修します。
洗浄と乾燥については、外壁塗装の高圧洗浄と乾燥時間で詳しく解説しています。

外壁材そのものの腐食や反り、金属屋根の穴あきなどが見られる場合は、塗装より先に交換や補修が必要です。

塗布量・塗装回数・乾燥時間を守る

下塗りは、薄く塗りすぎても厚く塗りすぎても不具合の原因になります。

吸い込みの強い下地では、一回のシーラーだけで十分な状態にならない場合があります。一方で、下塗りを増やせば必ずよくなるわけでもありません。

必要な塗装回数は、下地の状態と製品の標準仕様で決まります。乾燥時間についても、表面が乾いて見えるかどうかではなく、メーカーが定める塗り重ね可能時間を確認します。

気温、湿度、風通し、日当たりによって乾燥速度は変わるため、天候に合わせた工程管理が必要です。

下塗りと上塗りの適合を確認する

下塗り材は、単独ではなく中塗り・上塗りとの組み合わせで選びます。

適合しない材料を重ねると、密着不良、縮み、艶引け、既存塗膜の浮きなどが起きる可能性があります。

同じメーカーの製品であっても、すべて自由に組み合わせられるとは限りません。反対に、異なるメーカーでも適合が確認されている仕様はあります。

見積もりでは上塗り塗料のグレードだけでなく、推奨下塗り材、適用下地、塗り重ね時間まで確認しましょう。

上塗り塗料の選び方は、外壁塗装で使う塗料の種類と選び方も参考になります。

見積書で確認したい下塗りの項目

見積書に「下塗り一式」としか書かれていない場合は、材料と施工範囲を比較できません。

少なくとも、次の項目を確認しましょう。

  • 下塗り材の商品名とメーカー
  • 使用する外壁・屋根・付帯部
  • その材料を選んだ理由
  • 塗装面積と使用予定量
  • 下塗りの回数
  • 高圧洗浄、ケレン、ひび割れ補修の内容
  • 下塗りと上塗りの組み合わせ
  • 工程写真や使用材料の記録方法

下塗り以外にも、塗装面積、上塗りの商品名、塗装回数、付帯部の範囲を合わせて確認すると、見積書全体を比較しやすくなります。

詳しい確認方法は、外壁塗装の見積もりで注意するポイントでも紹介しています。

大切なのは、下塗りを一回か二回かだけで業者を比較することではありません。下地の状態に対して、なぜその材料と回数が必要なのかを説明できるかが判断基準です。

シーラー・フィラー・プライマーに関するよくある質問

Q. シーラーとプライマーは同じものですか?

どちらも下地と上塗りを密着させる下塗り材として使われるため、現場では近い意味で呼ばれることがあります。

一般には、シーラーは吸い込み止めや下地補強、プライマーは特定素材への密着や防錆を重視した製品に使われる名称です。ただし、機能が重なる製品もあるため、商品名と適用下地で判断してください。

Q. シーラーとフィラーは併用できますか?

製品同士の適合が確認されていれば、併用することがあります。

例えば、脆弱で吸い込みの強いモルタル下地をシーラーで補強し、その後にフィラーで表面を整える仕様です。
実際の例は、シーラーとフィラーを使い分けたモルタル外壁の施工事例で確認できます。

ただし、すべての住宅で下塗りを二回行う必要があるわけではありません。

Q. 下塗りは一回で十分ですか?

標準仕様が一回塗りで、下地の状態に問題がなければ、一回で施工する製品も多くあります。

吸い込みや劣化が強い場合は、メーカー仕様の範囲で追加塗布や別の下地調整を検討します。回数だけでなく、塗布量と施工後の下地状態も確認することが大切です。

Q. フィラーでひび割れを補修できますか?

フィラーには、微細なひび割れや表面の凹凸を覆うよう設計された製品があります。

ただし、幅や段差があるひび割れ、動きが続いているひび割れ、雨水が入っている箇所は、フィラーだけでは対応できません。原因と状態に合わせた補修を先に行います。

Q. 透明シーラーと白色シーラーはどう違いますか?

透明タイプは下地の状態を確認しやすく、白色タイプは下地色を整えて上塗りの隠ぺいを補助しやすいという違いがあります。

ただし、透明・白色だけで浸透性や密着性は判断できません。外壁材、旧塗膜、上塗り色に合う製品を選びます。

Q. 金属部分には必ず防錆プライマーが必要ですか?

鉄部では、ケレン後に防錆塗料を使用するのが基本です。

一方、アルミ、ステンレス、亜鉛めっきなどは鉄とは性質が異なるため、素材に適合する専用プライマーが必要になることがあります。金属の種類を確認せず、同じ防錆塗料を使い回さないことが大切です。

Q. 見積書が「下塗り一式」だけの場合は何を確認すべきですか?

商品名、メーカー、使用箇所、塗装面積、予定使用量、塗装回数を確認しましょう。

併せて、洗浄、ケレン、ひび割れ補修などの下地処理がどこまで含まれているかを聞いてください。「なぜその下塗り材を使うのか」を具体的に説明してもらうと、見積もりを比較しやすくなります。

まとめ

シーラーは下地の補強と吸い込み止め、フィラーは凹凸や微細なひび割れの調整、プライマーは素材への密着や防錆を主な目的とする製品が多くあります。

ただし、名称だけで使い分けを決めることはできません。外壁材や屋根材の種類、旧塗膜、劣化症状、上塗り塗料との適合を確認する必要があります。

見積書では、下塗り材の商品名、採用理由、塗装回数、使用量、下地処理の内容を確認しましょう。「下塗り一式」という表記だけでは、住宅の状態に合った仕様か判断しにくいためです。

ユウキ塗装では、福山市を中心に代表が現地調査を行い、外壁や屋根の状態を確認したうえで施工内容をご説明しています。他社の見積もりと比較している段階でも問題ありません。下塗り材や補修方法について分からないことがあれば、無料の現地調査や見積もりをご利用ください。

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SUPERVISOR

この記事の監修者

中村勇希

中村勇希ナカムラ ユウキ

代表

資格
1級建築塗装技能士
職長・安全衛生責任者
有機溶剤作業主任者
プロフィール
「ユウキ塗装」代表。職人歴10年以上。塗装の国家資格「一級塗装技能士」を保有し、高い技術力と知識で外壁・屋根の悩みに実直に対応。福山生まれ福山育ちの塗装のプロが福山にお住まいの皆様にどこよりもまじめで誠実な塗装をお届けします。